査定額が変わる五つの要素
不動産の査定額は一見すると「立地」と「築年数」で決まると思われがちですが、実際には複数の要素が影響し合って算出されます。そのため、同じ地域・同じ築年数の物件でも査定額に差が生まれることは珍しくありません。ここでは特に大きく影響する五つの要素を紹介します。
一つ目は「立地条件」です。駅までの距離、バス便の本数、スーパーや学校の近さといった生活利便性は査定額に直結します。また、再開発エリアや人口が増えている地域では将来性も評価に含まれ、プラス要因となります。
二つ目は「建物の状態」です。築年数が古くても、定期的にリフォームや修繕がされていれば評価が下がりにくい傾向があります。逆に築浅でもメンテナンスが不十分だと減点につながります。
三つ目は「間取りと使いやすさ」です。時代のニーズに合った間取りや、収納の多さ、日当たりの良さなどは買主にとって魅力的で、査定額に反映されやすいポイントです。
四つ目は「周辺環境」です。治安の良さや騒音の有無、眺望などは数字では表しにくいものの、購入希望者が重視するため査定に影響します。近隣に嫌悪施設がある場合はマイナス評価となることもあります。
最後の五つ目は「市場動向」です。同じ物件でも売却希望が多い時期は価格が下がり、需要が高まる時期は価格が上がります。経済状況や金利動向によっても変動するため、不動産は常に“生きた価格”で評価されるのです。
これら五つの要素を理解しておくと、査定額の根拠が分かりやすくなります。また、売主自身が改善できる部分(掃除や簡単な修繕など)に取り組むことで、より良い条件で売却できる可能性が高まるでしょう。
